最終更新日 2024年4月5日 by Mashup Reporter 編集部
世界的に有名な作品に出会う。収蔵作品の質量ともに世界有数のニューヨークの美術館をご紹介します。
メトロポリタン美術館
フランスのルーブル美術館、ロシアのエルミタージュ美術館に並ぶ世界三大美術館の一つ、メトロポリタン美術館は、1870年に開館。地元ではMETの愛称で親しまれている。
古代エジプトの装飾品から中世の絵画、最先端のファッションまで、世界中から過去5000年分の芸術作品を幅広く揃え、所蔵するコレクションの数は実に200万点以上。総面積18万5800平方メートルの館内を1日で回るのはほぼ不可能なので、事前にオンラインで好みの作品をチェックしておくのがおすすめ。毎年5月には、ファッション展覧会のオープニングイベント「メットガラ」を開催。世界的セレブが企画展のテーマに沿った服装に身を包んで美術館前のレッドカーペットに集う光景は、この時期の風物詩にもなっている。
ソロモン・R・グッゲンハイム美術館
ニューヨーク近代美術館などと並び、市内で最も有名な近代美術館の一つ「ソロモン・R・グッゲンハイム美術館」。印象派以降の作品を中心にモネやピカソ、シャガール、モディリアーニなどの絵画や、イサム・ノグチなどの現代彫刻を所蔵する。
20世紀を代表する建築家フランク・ロイド・ライトが設計を手掛けた独創的な円形の建物は、1959年に開館。それ自体が市の歴史建造物に指定されている。2008年には米国の歴史的建造物に、2019年には落水荘などライトの8件の建築物がユネスコ世界遺産に登録された。
6階建ての館内は、緩やかな螺旋状の坂を歩きながら壁沿いに展示を楽しめる作りになっており、ガラス張りの天井からは自然光がふんだんに差し込む。
ニューヨーク近代美術館
通称「MoMA(モマ)」とも呼ばれ、20世紀以降の選りすぐりの近代アートが集まった殿堂とも言える近代芸術美術館。マンハッタンの本館の他、2002年から2年間の増築工事中に移転先として使用していたクイーンズ分館(MoMA QNS)、インタラクティブな展示を中心とする「P.S.1」がある。
1929年に開業したMoMAは、当時は前衛とされていたセザンヌやゴーギャン、スーヤ、ゴッホをはじめ、建築、商品デザイン、映画なども世界に先駆けて芸術品として展示し、現代アートに強く影響を残している。コレクションの数は、10万点にも及ぶ。なお本館は、1939年にフィリップ・グッドウィンとエドワード・ダレル・ストーンが設計した建物が完成して以来、日本人建築家の谷口吉生などによって複数回増改築されてきた。2019年には、再び大規模なリニューアル工事が行われ。4,400平方メートルのギャラリースペースが加わった。
ミシュラン星を獲得した有名レストラン「ザ・モダーン」やカフェも併設されている。洗練された商品が揃うミュージアムショップは、お土産選びにも最適。
ホイットニー美術館
1931年にガートルード・ヴィンダービルト・ホイットニーが創設した。2015年にアッパーイーストサイドからミートパッキング・ディストリクトに移転し再オープンしている。建物は、建築家レンゾ・ピアノがデザインを手がけた。
20世紀以降のアメリカンアートに注目し、25,000点以上、3500人のアーティストの作品を所蔵する。エドワード・ホッパーの作品も多く展示している。また2年に一度、先鋭的で影響力のある芸術家を紹介する「ホイットニー・ビエンナーレ」を開催しており、次回は2022年4月から8月に開催を予定。8階建ての建物の最上階には、ルーフトップがあり、ハドソン川やローワーマンハッタン、またエンパイアステートビルが望める絶景ポイントとして人気。ハイラインの最南に位置し、付近には人気レストランやショッピングスポットも多いため、地元の人や観光客で賑わう。
ブルックリン美術館
1895年に設立されたブルックリン美術館は、ニューヨーク市内で3番目に大きく、全米でも最も古い美術館の一つ。荘厳な古い建物の前にガラス張りのパビリオンがあり、新旧デザインが融合する建物。150万点ものコレクションを所蔵しており、特にエジプトとアフリカ美術の膨大なコレクションが人気の一つ。3000年前の古代美術品もある。またアジア、オセアニア美術も常設しており、特に日本美術は7000点にも及ぶ。
企画展では、JRやケヒンデ・ワイリーなど社会的メッセージの強い作品のほか、フリーダ・カーロやStudio 54、KAWSやクリスチャン・ディオール展など人気のテーマを扱う。
付近にはブルックリン植物園や図書館、プロスペクトパークがあるため、地元の人で賑わう。なおブルックリン出身のアーティスト、ジャン=ミシェル・バスキアは子供の頃、同美術館会員だった。
アメリカ自然史博物館
映画『ナイトミュージアム』の舞台としても有名な博物館。1869年にアッパーウエストにオープン。ウェスト77ストリートから81ストリートに及ぶ巨大な敷地内に、アジア、アフリカ、北アフリカの哺乳類の剥製や、海洋ホールに浮かぶ巨大なシロナガスクジラの実物大模型、世界最大級の隕石やサファイヤなど、3400万種類の生物、植物、化石、鉱石、宇宙物質などを展示。
正面入り口を入ると出迎えてくれる巨大なバロサウルスの化石が有名で、恐竜コレクションは圧巻。2016年から展示されている世界最大の恐竜ティタノサウルスの化石は室内に収まらず、首が入り口から飛び出している。
セオドア・ルーズベルト大統領の父親が創設者の一人だが、1940年から入り口に設置されているルーズベルト像は、アフリカ人と先住民が並ぶ構図が問題視され、撤去が決定している。